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よろず相談

62.足の裏がしびれ、背中に違和感(平成27年11月27日掲載)

質問
 1年ほど前から体を動かすと、両足裏のしびれ、背中の筋肉が波打つような感覚、会陰部を下着でこすられるような感覚があり、悩んでいます。しびれや痛みを和らげる薬を飲んでいますが、効果を感じません。(74歳女性)

回答

 体を動かすと両足の裏がしびれたり、背中から会陰部に違和感が出てきたりといった症状の原因としては、腰の部分の背骨が原因である腰部狭窄(きょうさく)症がまず考えられます。

 背骨(脊椎)には、体を支える柱の働きと、脳からつながる神経の束(脊髄)を骨の中のトンネルで保護する働きがあります。このトンネルを脊柱管といいます。年齢とともに、骨や靱帯(じんたい)、椎間板が脊柱管に張り出すようになり、脊柱管の中を走っている神経が圧迫されるようになります。

 神経が圧迫されると、腰痛に加え、脚のしびれや痛みが出てくるようになります。しびれや痛みなどの症状の感じ方は、ピリピリ、チクチク、ジーン、だるい感じ、冷たい感じ、焼けるような感じ、水が流れる感じなどさまざまです。
 また、症状を感じる場所は両脚、片脚だけ、腰部や背中、臀部(でんぶ)、会陰部など個人差があります。

 その他に腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状として、間欠性跛行(はこう)があります。
 これは、体を動かしたり歩いたりしていると腰部から下肢にしびれや痛み、会陰部のしびれや焼けるような感覚が出てくるために、長時間歩けなくなります。ところが、体を前にかがめて休むと症状が楽になり、また歩けるようになるのが特徴です。

 腰部脊柱管狭窄症の治療は、消炎鎮痛剤(痛み止め)や神経周囲の血管を拡張させる薬、ビタミン剤など内服での保存治療をまず行います。薬剤はいろいろとありますので、効果を見ながら変更したり、追加したりします。効果が出るには数カ月かかることもあります。

 ただ内服治療にも限界があり、手術が必要なこともありますので、症状が続くときには磁気共鳴画像装置(MRI)で脊柱管内の神経の圧迫状態を調べることをお勧めします。
 前述したように、症状の感じ方には個人差があります。腰部脊柱管狭窄症に似た症状の中にも、下肢の動脈の血行障害が生じた病気や、足先の末梢(まっしょう)神経が炎症を起こす病気などが隠れていることもあるからです。

 整形外科の医師と症状や内服治療の効果をよく相談され、MRIなどの詳しい検査も検討してみてはいかがでしょうか。


◎ 著者プロフィール
氏名:喜安 克仁(キヤス カツヒト)
所属:高知大学医学部 整形外科・脊椎脊髄センター副センター長
役職:助教

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