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よろず相談

66.夜、睡眠中に叫び暴れる(平成28年1月29日掲載)

質問
 60代の家族のことで相談します。2、3年前から毎晩のように寝言で叫びだし、ひどいときは手を振り上げたり、足蹴(あしげ)にしたりして暴れることも。普段使わないような汚い言葉を使って、寝言で誰かを怒鳴りつけています。本人もそれでびっくりして目が覚めますが、また眠ります。多いときで一晩に2~3回、1回につき1~2分くらいです。本人に話しても全く覚えていません。何か病気と関係があるのでしょうか。何科にかかればいいのでしょうか。(66歳女性)

回答

 夜間の睡眠中に大声で叫んだり、歩き出したりといった異常行動が見られる場合には、夜驚症(やきょうしょう)や夢中遊行症、レム睡眠行動障害が疑われます。

 相談者のご家族の場合、年齢と症状から考えて、レム睡眠行動障害と思われます。
 レム睡眠とは「体は休息しているが、脳は活発に活動している睡眠状態」を意味しており、一般的には夢を見る睡眠時間帯になります。

 通常なら夢を見ても筋肉は脱力していて動かないので、大声を挙げたり歩いたりといった行動にはなりません。ところがこの病気の患者さんの場合、夢を見ているにもかかわらず、レム睡眠の障害によって筋肉が動くため、大声で叫んだり動いたりしてしまうのです。

 県内では、高知鏡川病院睡眠医療センター(高知市城山町)で終夜脳波検査を用いて睡眠障害の診断が受けられます。
 終夜脳波検査とは、夜間の睡眠中の脳波、筋電図、眼球運動を調べることによって、睡眠障害を見つける検査法です。夜間の検査であるため、夕方来院して朝に退院という1泊2日の入院検査となります。

 レム睡眠行動障害に対しては有効な薬も開発されています。ただ、レム睡眠行動障害は神経変性疾患や認知症の初期症状である場合もありますので、早めに専門の医療機関で検査を受けられるようお勧めします。


◎ 著者プロフィール
氏名:森信 繁(モリノブ シゲル)
所属:高知大学医学部 精神科
役職:教授

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