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よろず相談

72.手が痛くて夜中に目が覚める(平成28年5月13日掲載)

質問
 2カ月ほど前から、手が痛くて夜中や朝方に目が覚めます。骨の芯というか、手の中からズキズキするような痛みです。前の日に草引きなどを長時間しても痛まない日もあれば、何もしない日に痛んだりもします。3年前に右手中指、左手親指のけんしょう炎で手術しました。その後は順調によくなっていました。何科で診てもらえばいいのでしょうか。(60歳女性)

回答

 手の痛みの原因となる病気は幾つかあります。代表的な病気は手根管(しゅこんかん)症候群です。

 手のひらの付け根には、骨と靱帯(じんたい)に囲まれた手根管というトンネルがあり、その中に指を曲げるための9本の腱(けん)と1本の神経(正中神経)が走っています。
 けんしょう炎などで腱の周囲にある膜が腫れると正中神経が圧迫され、手指がしびれたり痛みが出たりし、やがて母指を動かしにくくなります。
 約7割が女性で、100人のうち1~3人に起こる比較的多い疾患です。親指から中指のしびれや痛み、ピリピリ感、違和感などがあり、朝方、指の痛みで目が覚めるほどであれば、手根管症候群の疑いがあると思います。

 痛みが強く、日常動作に差し支える場合や、保存療法を行っても夜間の痛みや指の運動障害が改善しない場合は、手術が必要になることがあります。
 手術といっても最近は、内視鏡で手根管を開放したり、手のひらを2~3㌢程度小さく切開するといったものです。局所麻酔や伝達麻酔(脇に少量の麻酔薬を注射する)による短時間の手術で、日帰り手術も可能です。

 手の痛みを起こす病気はほかにも、首の骨が変形したり椎間板が出っ張ったりして神経を圧迫する頸椎(けいつい)症、関節リウマチなど膠原(こうげん)病もあります。

 関節リウマチは、免疫異常により関節の滑膜に炎症が起こり、関節の痛みを生じ、異常に増殖した滑膜が周囲の軟骨や骨を破壊し関節の変形を起こします。
 朝起きた時に手の痛みがあり、手の指などの関節が腫れぼったくて動かしにくいことで病気に気付くことがあります。これは「朝のこわばり」と呼ばれるもので、関節リウマチに見られる特徴的な症状の一つです。

 しばらくすると普段通り動くようになりますが、朝のこわばり症状が何日も続くような場合は、関節リウマチの可能性があります。いずれも検査で診断がつきますので、症状が続くようでしたら整形外科の受診をお勧めします。


◎ 著者プロフィール
氏名:岡上 裕介(オカノウエ ユウスケ)
所属:高知大学医学部 整形外科
役職:助教

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