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よろず相談

78.聞こえに違和感があります(平成28年8月19日掲載)

質問
 アレルギー性鼻炎があります。6年ほど前に鼻汁がよく出る風邪を引いてから、左耳の聞こえに違和感があります。耳元に手が触れるだけで敏感に感じ、食器の音や子供の声などがよく響きます。耳栓をしているような詰まりも感じ、不快な毎日です。
 耳鼻科で鼓膜の中の水を抜いたりを繰り返していましたが、最近では2、3日でまた調子が悪くなります。医師からは鼓膜にチューブを入れたほうがいいと言われましたが、不安で迷っています。他に聴こえがよくなる方法はないですか。肩こりや首のこりと関連はないのでしょうか。(67歳女性)

回答

 相談の内容から判断すると、おそらく「滲出(しんしゅつ)性中耳炎」だと思います。
 滲出性中耳炎は中耳(鼓膜の奥)に液がたまるため、聞こえが悪くなったり、耳が詰まった感じがしたりします。放置すると、聞こえが悪いだけでなく、真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎や癒着性中耳炎といった手術が必要になる病気になることもあります。
 幼児と高齢者に多い病気で、喉の奥と耳をつなぐ管(耳管)の働きが悪くなり、耳への空気の出入りが悪くなり、水がたまると言われています。

 鼻や喉の病気が原因になることもありますので、鼻や喉の診察も受けておく必要があります。鼻炎や副鼻腔(びくう)炎など鼻の病気があれば、この治療も併せて行います。
 この場合は、薬による治療が中心になります。

 それでも水がなくならない場合は、鼓膜に穴を開けて水を抜きます。しかし、穴は数日から2週間程度で閉じます。
 何度も水がたまる場合は、鼓膜換気チューブを入れます。これは鼓膜に穴を開けたあとに、すぐ穴が閉じないように空気が出入りするチューブを3カ月から1年余り入れておくものです。滲出性中耳炎でよく行われる治療です。

 相談者はアレルギー性鼻炎があるとのことで、既に飲み薬や点鼻薬で治療を行っていると思います。その上、鼓膜の水を抜いてもすぐ水がたまるとのことですから、担当医に言われたように、鼓膜換気チューブを入れる治療が良いと思います。外来で短時間で行うことができ、難聴や耳閉感も良くなると期待できます。
 しかし、チューブを入れると、まれに耳だれが出たり、チューブが自然に抜けたりすることもあるので、定期的に耳を診てもらえば安心です。

 肩こりや首こりは、首から上に病気があると起こることがあると言われますが、このタイプの中耳炎が原因で肩こりが起こることはないと思います。


◎ 著者プロフィール
氏名:小林 泰輔(コバヤシ タイスケ)
所属:高知大学医学部 耳鼻咽喉科
役職:准教授

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