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よろず相談

79.血便が続いています(平成28年9月2日掲載)

質問
 昨年9月に血便が出ました。胃と大腸の内視鏡検査を受けましたが、異常はありませんでした。  肛門科でも異常はありませんでしたが、排便後の出血は今も続いており、不安です。(79歳女性)

回答

 食生活の変化によって大腸がんの症例数が増加したと話題となって久しくなります。排便後、トイレットペーパーに赤い血が付くと、誰しも不安になります。
 ましてや、ぽたぽたと出血すると、なおさらです。

 しかし、そのような出血は肛門に近いところからの出血であることが多いので、痔(じ)であればすぐに分かります。ところが、相談者は肛門は言うに及ばず、胃や大腸にも異常がなかったようです。
 出血なのにどうして出血場所が見つからないのでしょう。どのような可能性があるか考えてみましょう。

 「どこかにぶつかった覚えもないのに、打ち身のように皮下に内出血した」ことはありませんか。便秘気味ではないですか。硬い便が肛門や粘膜を傷付けて出血することは多々あります。ことに、血液がさらさらになる薬を服用していれば、思った以上にたくさん出血することがあります。このような傷はとても浅いので、医師に診てもらうまでに治っていれば、何も見つからないのも道理です。

 また、大腸に病気はあるのに、「異常はありません」と説明を受けることもあります。
 例えば、「大腸憩室」と呼ばれる大腸にできた袋から出血した場合です。内視鏡検査は下剤で大腸をきれいにした後に行いますので、検査の時点で出血していなければ、どこから出血したか診断ができません。
 憩室は頻繁に見つかる病変なので、出血した跡が洗い流されると、「内視鏡検査では(憩室以外には)何もありません」となってしまいます。

 また、腰痛などで鎮痛剤を使用している人や、血液がさらさらになる薬を服用している人は小腸に小さな潰瘍を起こしやすく、そこから出血することも考えられます。小腸に破れやすい血管ができて、そこから出血することもあります。

 このように「排便後の出血」の原因はさまざまです。診察で詳しく出血の量や間隔、色などを伺えば、原因となる病変を効率よく絞り込むことができます。検査法もさまざまです。ぜひ一度、専門医にご相談ください。


◎ 著者プロフィール
氏名:西原 利治(サイバラ トシジ)
所属:高知大学医学部 消化器内科
役職:教授

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