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よろず相談

番外編:脚のむくみに悩む(平成28年4月22日掲載)

質問
 10年ほど前、下肢のむくみで受診したところ、リンパ液によるむくみとのことで、膝上までの弾性ストッキングを着用していました。ところが、夕方になると太もものあたりまでぱんぱんになり、ストッキングが食い込んで脱ぎづらくなったので今は使っていません。内科でむくみ止めの利尿剤ももらっていますが、むくみは何とかならないものでしょうか。(85歳女性)

回答

 リンパ浮腫でお悩みのようですね。
 この病気は、脚のリンパ液(皮下組織の水成分とお考えください)がうまく体の方に戻ってこないために脚にたまり、むくみを引き起こします。
 リンパ液が通る「リンパ管」が詰まるのが原因で、骨盤内の手術(子宮、膀胱(ぼうこう)など)や放射線照射などによって起こる方が多いです。

 根治する治療は今のところなく、薬も症状をやや軽くすることには役立ちますが、最も効果的なのは弾性ストッキングで圧迫する治療です。むくみの範囲や原因に応じて膝下までのものを使ったり、パンティーストッキング型のものを使ったりします。起きて活動する間に水が下がってむくみが強くなるので、日中だけストッキングを着けます。

 この治療でもむくみが強い方には、弾性包帯を巻いたり、脚を圧迫する器械を使ったりして治療することもあります。
 それでもうまくむくみが引かない方には、リンパマッサージという方法を使います。特殊な方法ですが、この方法を学んでもらい、自分または親しい方にお願いして毎日マッサージします。病院で指導を受けることができます。

 さらに特殊な治療として、手術があります。詰まった部分より先の拡張したリンパ管を、その近くの静脈につなぐ方法で、人によっては劇的によくなりますが、手術による体への負担に加え、10年以上有効かどうかという問題もありますので、ほかの方法がうまくいかない場合にのみ検討します。

 いずれの場合も、お一人お一人で状況は異なります。個別に評価し、治療を決めていくのがよいと思いますので、かかりつけ医の先生に一度ご相談ください。

 昨年7月、リンパ浮腫に関する市民公開講座を高知大学医学部で開催しました。あいにくご都合が付かなかった方も少なからずあったのではないかと思い、講演した先生方に内容を書き下ろしていただき、高知県医師会雑誌に特集として載せていただきました。かかりつけの先生のもとにはこの雑誌が届くと思いますので、見せていただくとよいでしょう。


◎ 著者プロフィール
氏名:渡橋 和政(オリハシ カズマサ)
所属:高知大学医学部 外科(ニ)(心臓血管外科)
役職:教授

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