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よろず相談

番外編:帯状疱疹と関連? 疲れやすい(平成28年4月22日掲載)

質問
 70代の夫が5年ほど前に帯状疱疹(ほうしん)にかかり、今もチクチクと痛みを感じています。関連は分かりませんが、体力が減退し、少し動いただけでも疲れて横になり眠ってしまいます。1度眠ると2時間は起きられません。1日の大半を寝て過ごしている状態です。動くことが大好きな夫ですが、今は仕事の量を加減しながらの生活…。このままでは筋力も衰えて車いす、寝たきり生活になるのではないかと不安です。(67歳女性)

回答

 帯状疱疹は、子どもの頃かかった水ぼうそうウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が、神経節と呼ばれる部分に潜み、体の免疫力が低下したときに再び活性化して発症します。日本人の5人に1人の割合で起こると言われます。
 一方、帯状疱疹後神経痛とは、皮疹がなくなった後も続く痛みのことで、6カ月後で約10%の人が発症します。通常のけがとは異なり、神経自体の異常が原因ですので、1~10年以上長引くこともあります。

 焼けるような、針で刺さされたような痛みが典型的な症状で、ピリピリ、ズキズキ、チクチクと表現されることも。ほかにも感覚が鈍くなったり、触れるだけで痛みを感じたりする症状もよく見られます。
 長引く痛みによって不安や抑うつ状態になると、痛みを和らげようとする体の反応が弱まり、さらに痛みを感じやすくなってしまう悪循環に陥ることがあります。

 帯状疱疹後神経痛には、すべての患者さんに有効な治療法はありません。生活背景、精神状態、治療に対する反応性などにより、薬物療法を中心に神経ブロックや運動指導などを組み合わせます。

 相談者の場合は、長引く痛みを自覚されていますので、まず薬物治療が適切かどうかの確認が必要です。薬物療法には抗てんかん薬(プレガバリン)、抗うつ薬、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液がよく用いられます。
 ただし、鎮痛薬によってはめまいやふらつき、眠気などの副作用が現れることも。相談者の日中の眠気も薬物治療による副作用かもしれません。
 痛みのために長期間体を動かさずにいると筋力が衰えたり、関節が動かしにくくなったりすることがあります。痛くてもウオーキングなどの軽い運動を続けることで筋力を維持し、痛みに伴う症状を和らげる効果が期待できます。

 帯状疱疹後神経痛の治療は長期に及び、痛みを完全に取り除くのは困難です。そのため、痛みとうまく付き合っていくことを目的として治療に取り組むことが大切です。一度、麻酔(ペインクリニック)科に相談するようお勧めします。
 身体面・精神面ともによく相談しながら治療を進めていけるとよいですね。


◎ 著者プロフィール
氏名:河野 崇(カワノ タカシ)
所属:高知大学医学部附属病院 麻酔科
役職:講師

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