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よろず相談

番外編:膝のプレート、取ったほうがいい?(平成27年4月24日掲載)

質問
 昨春、整形外科で「高位脛(けい)骨骨切り術」を受けました。左膝にプレートとスクリューを入れておりますが、取り除くべきかどうか迷っています。主治医からは「若ければ取り除けるが、高齢なので本人次第」と言われました。
 今は左足にしびれがあって歩きづらく、正座もできません。プレートを外したら楽になるのではと思っています。取り除く際のメリット、デメリットを教えてください。(82歳男性)

回答

 高位脛骨骨切り術とは、O脚の矯正手術です。すねの骨(脛骨)を上の方(高位)で切って方向を変えて脚を真っすぐにします。O脚では、片脚で立った時の重心線が膝の内側を通り、すり減った軟骨に大きな力が集中します。高位脛骨骨切り術を受けると、重心線が膝の真ん中よりも少し外側を通るようになり(図参照)、すり減った軟骨への負荷が少なくなって病気の進行を遅らせ、痛みも和らぐことが期待できます。

 ご質問の膝のプレートですが、これは骨切りをした部分がぐらつかないように固定する目的で使われます。骨切り部分にはゆっくりと新しい骨ができてきます。
 一般に術後1~2年を経過すると、骨切り部分にできた新しい骨は十分に成熟し、プレートを取り除いても骨切り部分がぐらつかないようになります。
 プレートの素材はチタンやステンレスで、体内に長期間置いていても腐ったり、錆(さ)びたりするものではありません。したがって、不具合がなければプレートを置いていても構いません。

 プレートが出っ張って痛みを伴う場合は、骨切り部が癒合した後にプレートを取り除くことをお勧めします。
 また、変形性膝関節症は一般に加齢とともに進行するため、骨切り術を受けて10~20年先に人工関節手術を受ける方もいます。その際にプレートが体内に残っているとすぐに手術ができないので、比較的若い方はプレートを取り除いておいた方がよいかと思います。

 さて、相談者の症状はしびれです。しびれの原因はいろいろと考えられます。骨切り手術自体で傷の周りが少ししびれることも少なくありません。また、別の病気で脚がしびれている可能性もあります。こういった場合には、プレートを取り除いても症状はあまり変わりません。
 現在のしびれの原因がプレートによるものかどうか主治医の先生とよく相談することが大切です。


◎ 著者プロフィール
氏名:池内 昌彦(イケウチ マサヒコ)
所属:高知大学医学部 整形外科
役職:教授

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