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よろず相談

番外編:血液のALP値が高いと言われました(平成27年4月24日掲載)

質問
 内科で血液検査を受けました。他の数値は正常範囲でしたが、ALP値だけが高いと言われました。3カ月後に食事をせずに検査を受けましたが、結果は同じで、「はっきりしないけれど骨の病気もある」と聞きました。
 3カ月後にまた検査をして様子を見るとのことですが、心配です。診断には他にどんな検査が必要ですか。(70歳女性)

回答

 アルカリホスファターゼ(ALP)は、アルカリ性の環境でリン酸化合物を加水分解する働きを持つ酵素(タンパク質の一つ)です。ほとんど全ての臓器にありますが、中でも肝臓、骨、小腸、胎盤などに多く含まれています。

 ALP値が高いのは、臓器が障害を受けALPが血液中に流れ出しているためで、臓器障害が起こっていることを教えてくれます。
 臓器により次の6種類のタイプがあります(ALP1、2が肝臓、3が骨、4が胎盤、5が小腸、6が免疫グロブリン結合型)。これを「アイソザイム」といい、タイプを調べれば、どの臓器の障害かが分かります。

 例えば胆石や腫瘍などで胆汁の流れが悪くなると、胆汁の中のALPが血液中に漏れ出てALP1と2が共に高値となります。ただし、いずれも肝細胞に含まれる酵素であるAST(GOT)、ALT(GPT)など他の肝機能検査が異常値でない場合は、肝臓や胆道系以外の病気が疑われます。

 ALP3が高値なら、骨折、骨粗しょう症、がんの骨転移などの可能性があり、エックス線検査などで確かめます。甲状腺機能亢進症でも骨の代謝回転が亢進しているため、上昇すると考えられています。

 ALP高値は、必ずしも病気とは限りません。健常人でも血液型がBあるいはO型の人は食後にALP5が上昇することがあります。
 また、新生児から思春期にはALP3が成人の3~5倍の値を示します。正常妊婦もALP値は上昇し、後期にはALP4が基準値の2~3倍になります。さらに、閉経後の女性ではALP2と3の増加が認められます。これは、女性ホルモンレベルの変化が関係していると考えられています。

 ずっと高値が続いているようなので、まずは一度内科を受診してアイソザイムを検査し、どの臓器からALPが出ているかを確認することをお勧めします。
 必要ならば、超音波検査やCT(コンピューター断層撮影)検査など画像診断による精密検査を受けられるのがよいでしょう。


◎ 著者プロフィール
氏名:山中 茂雄(ヤマナカ シゲオ)
所属:高知大学医学部 検査部
役職:副技師長

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