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よろず相談

番外編:軽い動作で胸が痛みます(平成27年6月19日掲載)

質問
 ごく軽い動作で手足に力を入れると、右肋骨の深部が痛みます。
 ぎゅーっと締まる感じや、ぶわーっと膨らみ、固まって凝るような重圧感があります。次第にみぞおちから左肋骨辺りに広がり、みぞおちの深部がズキンとします。息苦しさで口呼吸し、喉が詰まった感じ、吐き気、眠気、体の引き付け、時には便意もあります。じっと動かずにいると数時間で症状は消えます。
 どんな病気が考えられますか。

回答

 相談者の症状は胸部、腹部だけでなく、眠気といった中枢神経症状まで多岐にわたっており、一つの臓器や一つの病名では説明しにくい印象を受けます。

 大切なことは、これらの症状がいつからあるかです。数か月から数年前からあった慢性的なものか、ここ数週間から1か月と最近現れた急性のものかが重要です。最近の症状なら、早めに受診することをお勧めします。

 受診の際には病歴が参考になりますので、まとめておかれるとよいでしょう。特に、高血圧や糖尿病、コレステロール、喫煙などの情報は、心臓や肺の病気に関連するので大切です。

 このように広範囲の症状がある場合の診断では、まず、危険な病気を除外することが大切です。

 ①胸の痛み…心臓や肺の病気の有無
 右胸、左胸に関わらず、心臓から来た痛みではないかを確認します。胸の聴診、エックス線写真や心電図検査を行い、心臓の病気をチェックします。胸の痛みを起こす狭心症は、胸が痛い時の心電図変化が診断に重要で、運動などで心臓に負荷をかけて心電図の変化を確認する検査をします(運動負荷心電図検査)。エックス線写真では肺に異常がないかどうかも確認します。
 ②腹部症状(みぞおち、吐き気など)…胃腸の病気
 血液検査で、貧血をチェックします。貧血がある場合、胃カメラや大腸カメラで痛みや出血の原因となる病気(ポリープや潰瘍など)がないか確認します。胃液が食道に逆流する逆流性食道炎も胸の奥の痛みを起こすので、胃カメラで確認します。

 急を要する危険な病気ではありませんが、頸椎(けいつい)症(首の骨の異常)や肋間神経痛なども胸の痛みの原因となります。しかし、まず①、②を除外する必要がありますので、現在も症状が改善していないようであれば、早めに内科(特に緊急性が高い心臓の病気に関しては循環器内科)を受診されることをお勧めします。


◎ 著者プロフィール
氏名:野口 達哉(ノグチ タツヤ)
所属:高知大学医学部 老年病・循環器・神経内科
役職:助教

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