前のページに戻る

よろず相談

番外編:胃カメラ後、胃がむかつきます(平成27年6月19日掲載)

質問
 2年前に大腸のカルチノイド(腫瘍)を内視鏡で摘出しました。先日、転移がないかどうか胃カメラの検査を受けました。終了後から胃のむかつきと吐き気が続いています。
 最近は下腹と背中の左下が痛く、食事をすると胃がむかつき、痛みます。夜は口の中が苦いです。医師から「逆流性胃炎」と言われて薬を飲んでいますが、症状が長引いているので気になります。どんな原因が考えられますか。(65歳女性)

回答

 胃カメラの検査終了後から胃のむかつきと吐き気が続いているとのことですが、症状が始まったのは検査終了直後からでしょうか、それとも数時間から数日たってから始まったのでしょうか。主治医の先生は、あなたの症状と胃カメラの結果を勘案して「逆流性胃炎」と診断し、薬を処方されたと思います。

 「逆流性胃炎」という病名からは、何かが胃に逆流して炎症を起こしていることが伺えます。胃の下流にあるのは十二指腸ですから、胆汁などを含んだ消化液が胃に逆流して炎症を起こしているのでしょうか。
 ただ、この診断名は一般的ではないので、あなたの胃の中で実際に何が起こっているのかを、この情報だけから具体的に推し量ることは容易ではありません。

 症状によっては薬を飲んで数時間で治療効果を実感できる場合もありますが、十分な治療効果を得るためには時間を要することもあります。また、主治医が同じ治療効果を期待した場合でも、患者さんの状況により、早く強くよく効く薬を使う場合もあれば、安全性を重視して体に負担の少ない薬を選択することもあります。十分な治療効果が得られないと感じると、症状に合わせて別の薬に変えることで、治療効果を高める工夫もします。

 可能であれば、主治医に治療を一任するのではなく、治療効果などを患者さんから報告してくだされば、安全で効果の高い、より的確な医療が実現できると思います。一人で悩まずに、自覚症状の改善を得るためにはどのようにすればよいか、主治医と相談されることをお勧めします。

 最後になりましたが、大腸カルチノイドの転移を疑った時に、転移先として胃を最初に調べることは一般的ではありません。より転移を起こしやすい他の臓器の検査も必要ですので、検査を予約されていない場合には転移検索の必要性も含めて、先生とあらためてよく相談なさってください。


◎ 著者プロフィール
氏名:西原 利治(サイバラ トシジ)
所属:高知大学医学部 消化器内科
役職:教授

「よろず相談」に戻る


診療科目一覧に戻る ページの最初に戻る