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よろず相談

19.喉の奥に鼻汁がたまります(平成26年3月14日掲載)

質問
 鼻汁が喉の奥にたまるようになり、2年前に耳鼻科に通い始めました。常に喉の奥がどろどろで、たんが絡んだ状態で、せきが出ます。食道に流れ落ちるとすっきりしますが、すぐに同じ状態になります。ひどい時は、耳の聞こえが悪くなります。
 抗生物質などを処方されましたが、全く改善されないので通院をやめました。インターネットで調べると、「後鼻漏(こうびろう)」の症状のようです。治る病気ですか。効果的な治療はありますか。(60歳、女性)

回答

 ご不快な症状で長く悩んでいらっしゃると推察します。
 鼻の中は粘膜が覆っていて、鼻水などの粘液が1日に6リットル近くつくられます。この粘液は、粘膜の表面にある「繊毛(せんもう)」という細かいブラシのような構造によって喉の奥に送られ、私たちは知らず知らずのうちに飲み込んでいます。ですから、病気でなくても喉に鼻水や液がたまることはあるのです。鼻や喉を保護する体の働きですから心配ありません。

 しかし、鼻炎や副鼻腔(びくう)炎など鼻の病気でこの仕組みがうまく働かなくなると、鼻水が増えて鼻の奥にたまったり、粘っこい鼻水が喉に落ちるという症状が現れます。これが「後鼻漏」です。鼻水の原因となっている病気を治せば改善しますが、傷ついた鼻の粘膜が元通りになるには時間がかかり、症状を完全になくすことが難しい場合もあります。炎症が続くと、鼻の奥で耳につながる管(耳管)が詰まり、耳が聞こえにくくなることもあります。

 ご相談の後鼻漏には慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿=ちくのう=症)が関係していると思います。エックス線検査で副鼻腔に炎症があれば副鼻腔炎と診断し、鼻の処置を行ったり、抗生物質や鼻水を出しやすくする薬で治療します。大抵はこの治療で症状が軽くなりますが、良くならなかったり、治療を休むとすぐに悪くなる場合には、手術を行うこともあります。

 一方、副鼻腔に明らかな炎症がない場合には、鼻炎として治療します。鼻の炎症を取る薬や処置で治療するのに加え、マスクを使用したり、部屋の湿度を調節することもお勧めしています。この自己ケアは鼻の粘膜の乾燥を防いで刺激を和らげる効果があり、鼻水の量が調整されて流れも良くなるので、症状の改善につながります。

 ただ、相談者のように長期間、不快な症状に悩まされている場合には、鼻や喉のアレルギー反応も合併している可能性があります。アレルギー検査も有効な治療を見つける助けになると思います。


◎ 著者プロフィール
氏名:弘瀬 かほり(ヒロセ カホリ)
所属:高知大学医学部 耳鼻咽喉科
役職:助教

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