前のページに戻る

よろず相談

21.難聴、メニエール病は治りますか(平成26年4月11日掲載)

質問
 6年前に突発性難聴と診断されました。複数の病院に通いましたが、良くならないままメニエール病も発症しました。震えるような激しい耳鳴りのほか、めまい、吐き気、ふらつき、片頭痛があります。耳鳴りやめまいを抑える薬を飲んでいますが、あまり効果はありません。難聴やメニエール病は一生良くならないのでしょうか。(64歳、女性)

回答

 メニエール病は難聴や耳鳴りを伴ってめまいを繰り返し起こす原因不明の病気です。最初のめまい発作でメニエール病を診断することは困難で、発作を繰り返すことで診断できます。相談者もそのようなケースと推測します。

 めまい発作の最中は点滴や抗めまい薬の投与など一般的なめまいの治療を行います。その後、利尿剤(体の中の水分をおしっこで出す薬)を投与します。この薬にはメニエール病によって増え過ぎた内リンパ(内耳液の一つ)を減少させる働きがあります。この病気は原因不明で病態も十分解明されてないのですが、何らかの原因で内リンパが増えると考えられています。現在は増える原因を除去する方法がありませんので、増えた内リンパを減らす目的で薬剤が使われています。

 最近、ストレスがめまいの発症に関与していることが分かってきました。このため、ストレスを軽減させるように規則正しい生活をして、軽く汗をかく程度の運動を行うように生活指導も行います。軽い精神安定剤はストレスを減らす目的で処方しています。

 これらの治療で大部分の人のめまいはコントロールでき、難聴が改善する人も中にはいます。しかし、一部の治りにくい人、日常生活に支障が出るほどめまい発作を繰り返す場合は別の治療が必要になります。機械で鼓膜や中耳に圧力を加える「中耳加圧療法」がその一つですが、日本では健康保険で認可されていません。

 さらに、内リンパ嚢(のう)を開けて増えた内リンパを逃す手術や、薬剤を中耳に注入して内耳機能を落とすことで発作を減らす治療もあります。治療には一長一短がありますので、めまい診療に精通した医師と相談する必要があります。

 メニエール病は「治りにくい病気」と思われています。確かに、めまいを繰り返して困っている方もいますが、治り方はさまざまで、数年苦しんだ後にうそのように治る方もいます。まず、かかりつけの耳鼻咽喉科の先生とよく相談してみることをお勧めします。


◎ 著者プロフィール
氏名:小林 泰輔(コバヤシ タイスケ)
所属:高知大学医学部 耳鼻咽喉科
役職:准教授

「よろず相談」に戻る


診療科目一覧に戻る ページの最初に戻る