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よろず相談

番外編:完全右脚ブロックって何?(平成26年7月25日掲載)

質問
 健診で心電図を取ったら、「完全右脚ブロック」との結果が出ました。動悸(どうき)もします。 何か心臓に悪いところがあるのでしょうか。治療は必要でしょうか。どんなことに気をつければいいでしょうか。(60歳男性)

回答

 心臓は血液を肺や全身に送り出すポンプの働きをする臓器です。心臓が血液を効率よく送り出すには、心臓の収縮をコントロールする必要があり、そのシステムを「刺激伝導系」(図参照)といいます。今回、心電図検査で指摘された完全右脚ブロックとは、この刺激伝導系の中の右心室を収縮させる役割を果たす右脚が機能低下を起こしている状態です。

 ただし、右脚ブロックがあったとしても、それだけでは大きな異常ではありません。右心室の収縮が通常より少し遅れますが、左心室から右心室に心臓の収縮が伝わりますので、実際には心臓の機能にはほとんど影響しません。健康な方にも見られますし、症状が出ることもありません。

 ただ、心臓や肺に他の異常がある方がまれにいます。右脚ブロックだけでは自覚症状はありませんので、相談者のように動悸などの症状がある場合は、医療機関で心臓の精密検査を受けることをお勧めします。息切れの症状がある場合は、肺の精密検査の検討も必要な場合です。「治療の必要性」や「気をつけること」については、まずは右脚ブロック以外に異常があるのかどうかをしっかりと診断し、その結果に応じて判断するようになります。

 もう一点、ご注意いただきたいのは、よく似た名前の「左脚ブロック」という異常です。こちらは、心臓の中で最も重要である左心室の伝導に異常を来しています。必ずしも心臓が悪いというわけではありませんが、右脚ブロックよりも心臓の機能に強い影響を及ぼす場合があります。左脚ブロックを指摘された場合は、無症状でも必ず心臓の精密検査を受けてください。


◎ 著者プロフィール
氏名:弘田 隆省(ヒロタ タカヨシ)
所属:高知大学医学部 循環器内科
役職:助教

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